ChatGPTを使って文章を作りたいけれど、使い方が分からないとお困りではありませんか。希望する文章をAIに作成してもらうためにまずは触ってみることと、そしてコツを把握することが大切です。使い方やコツを把握しておけば、理想的な文章をAIに作ってもらえるでしょう。
この記事では、ChatGPTの基本的な使い方から希望する文章を作成してもらうコツまで、わかりやすく解説します。あわせて、ChatGPTを利用する流れや使用時の注意点も紹介します。手軽に理想的な文章を手に入れるためにも、まずはChatGPTとはどのようなサービスかを見ていきましょう。
ChatGPTというサービスをよく耳にするけれど、どんなサービスなのか分からないという方も多いでしょう。ここでは、ChatGPTとは何か、生成AIやチャットボットとは何が違うのかを解説します。
ChatGPTとは、違和感のない文章を作成してくれる対話型のAIチャットサービスです。アメリカのサンフランシスコ(シリコンバレー)を拠点に活動している非営利団体「OpenAI」が開発したもので、これまでにない画期的なサービスは、日本でも注目を集めています。
アメリカで開発されたものなので、サービス提供開始時はすべての表記が英語でした。しかし、現在は日本語で表記されており、質問も日本語で行えるため、英語が分からなくても利用できます。有料・無料プランがあるので、課金なしで文章を作成してもらえる点も魅力です。
対話型のAIサービスと聞き、生成AIやチャットボットと何が違うの?と疑問を持った方も多いでしょう。それぞれの特徴は以下の通りです。

生成AIはディープラーニング(深層学習)によりAIが自ら学習を重ね、新たな独自コンテンツを生成することができる人工知能です。幅広い分野で活用されており、ChatGPTにもこの人工知能(生成AI)が使われています。
生成AIは人間と同じように学習することで、新たな情報をインプットすることができます。そして、数多くの情報をインプットした結果、適切な回答を判定したり結果を予測した上で回答してくれる便利なAIです。
チャットボットは、あらかじめ登録された内容をもとに回答するチャットサービスです。たとえば、企業の問い合わせフォームに寄せられる質問とその回答をあらかじめ登録しておくことで、ユーザーからの質問に登録された内容通りの回答を行えるサービスです。
ChatGPTなどの生成AIはユーザーから質問されてから回答内容を考えるため、あらかじめ登録された内容から回答するのか、質問されたタイミングで適切な回答内容を作成するのかで異なると考えておきましょう。
ユーザーの質問に適切な回答をしてくれるChatGPTは、さまざまなシーンで活用できます。具体的な活用シーンを見てみましょう。

文章の作成だけでなく、既存文章の要約や外国語で書かれた文章の翻訳、作成した文章の校正まで行ってくれます。そのほかにも、エクセルの関数や計算式、プログラミングの実行コードの作成も行ってくれるため、ビジネス面でも活用できるでしょう。
ChatGPTは対話型のチャットサービスなので、AIと会話することも可能です。誰かと会話したいとき、気になることがあるけれど誰にも相談できないときに利用してみましょう。AIが相手なので、家族や友達に言いにくいことも、気軽に話せます。
日常、または仕事でChatGPTを活用できるシーンがある方は、早速サービスを利用してみましょう。ここでは、ChatGPTを利用する流れを解説します。
まずは、ChatGPTを利用する環境を整えましょう。利用に必要なのは、インターネット環境とデバイスです。スマホで利用する場合は4Gや5G、またはWi-Fiのある場所、パソコンで利用する場合はWi-Fi環境を用意します。環境が整えば、無料でChatGPTを始められます。
環境を整えたら、ChatGPTの公式サイトにアクセスしましょう。公式サイト(https://openai.com/ja-JP/chatgpt/overview/)にアクセスすると、以下の画面が表示されます。
右上の「ログイン」に入ると、以下の画面が表示されます。
「開始する」の下にある「新規登録」に入り、アカウント登録を行いましょう。アカウント登録の流れは以下の通りです。
- メールアドレスを入力し、パスワードを設定する
- 入力したメールアドレスにChatGPTからメールが届く
- 本文から公式サイトにアクセス
- 名前と電話番号を登録する
- 登録した電話番号に認証コードが届く
- 公式サイトで認証コード入力後、登録完了
登録後、ログインすればChatGPTを使えるようになります。
登録はメールアドレス以外にもGoogleアカウント・Microsoftアカウント・AppleID・電話番号でも可能です。どの方法でも難しい手順はなく、数分で手続きが完了するため、すきま時間に登録を済ませましょう。
一点注意しておきたいのが、初期設定です。ChatGPTは送信内容から学習していくAIなので、入力した内容が漏洩する恐れがあります。セキュリティの観点から、送信内容を学習させないよう設定することが大切です。設定方法を見てみましょう。
- ログイン後、アカウント名を左クリック
- 「Settings(設定)」→「Data Controls(データ コントロール)」の順にクリック
- 「Chat history & training(すべての人のためにモデルを改善する)」の項目にあるボタンをクリック(オフに変更)
この設定で送信内容が学習されることはなく、チャット履歴にも残らなくなるので、利用開始前に必ず設定しておきましょう。
ChatGPTへのログインを済ませたら、実際に使ってみましょう。ログイン後、トップページは以下のような画面になります。
「質問してみましょう」と表示されている部分にChatGPTへの質問や要望を入力します。例として「今日の天気」について聞いてみましょう。
入力後、左下にある「↑」をクリックすると、以下のような回答が表示されます。
質問した内容への回答が表示されます。基本的な使い方は、入力→送信→回答の順です。では、ChatGPTを使ってマーケティング・不動産の短い文章を作ってもらいましょう。
簡単な指示のみでしっかりとした文章を作ってくれます。回答後、別のテーマで文章を作成してもらうことも可能です。質問内容に沿った回答を表示してくれるので、なんでも入力してみましょう。
希望する文章をChatGPTに作ってもらうには、プロンプトを工夫することが大切です。プロンプトとは、指示文のことで、ユーザーが入力する内容を表します。たとえば、先ほど紹介した例のプロンプトは「マーケティングについて、200文字程度の文章を作ってください」という簡易的なものでした。
このプロンプトを
あなたは大手Webメディアに在籍するライターです。以下の条件で、マーケティングに関する記事を執筆してください。
###条件:”””
500文字程度
「です」「ます」調
2~3行ごとに改行する
メリットとデメリットを書く
“””
#に工夫すると、以下のような回答が返ってきます。
プロンプトを工夫するだけで、回答内容が大幅に変化し、質の高いものになりました。指示内容を細かく書くことに加え、文章の口調を変えてもらう・文字数の増減・形式なども指定可能です。プロンプトに指示に対する条件や前提を含めることで指示通りの文章を作成してくれます。
作成後にもうひと手間加えたいのなら、再度指示文を送信することがおすすめです。例として、上記のマーケティングの文章をカジュアルな口調で書き直してもらいましょう。
プロンプトによって回答内容を希望する内容に変えられます。インターネット上にはプロンプトの例文も数多く掲載されているため、例文を参考に効率よく理想的な文章を入手しましょう。
ChatGPTを初めて使う、または使い慣れていない人は、プロンプト入力後に内容を見直しましょう。前述したように、プロンプトの内容によって回答は大きく変わります。一度の質問で希望する内容を回答してもらうには、入力内容を詳しく書いたり、工夫したりすることが大切です。
また、ChatGPTにはさまざまな機能が付いているので、誤操作にも注意しましょう。特に気を付けたいのが、回答内容への評価です。回答文章の下にはいくつかのアイコンがあり、よい回答・悪い回答のアイコンが並んでいます。ChatGPTは学習型のAIなので、評価内容を学習し、次からの回答に活かしてくれます。
よい内容にもかかわらず悪い回答のアイコンを押す、またはその逆の操作をすると、次からの回答内容が大きく変化する恐れがあるので注意が必要です。
ChatGPTが導き出す回答は必ずしも正しいとは限らないので、重要な情報は自身で確認することが大切です。正しくない回答内容の例として、最新の情報が含まれていない、倫理的に不適切な内容が含まれているなどが挙げられます。
たとえば、法律の改正内容についての文章を作成してもらうとしましょう。ChatGPTが最新の改正内容をアップデートしていなければ、改正前の情報をもとに回答文を作成するため、古い情報のみの文章に仕上がります。便利なAIサービスではあるものの、必ずしも正しい情報を含んでいるとは限らないので、回答内容の正誤をチェックすることがおすすめです。

正誤の確認方法として、作成された文章に対して「この文章はいつ時点の情報から作成したのか?」や「この文章はどの情報を参考にしたのか?」を確認してみることもおすすめです。
何年の情報から作成されたのかが分かるのと、参考にしたURLも教えてくれるため、情報源を探す手間も省けます。
ChatGPTに入力した内容はクラウド上に保存され、AIの学習に活用されます。クラウド上に保存されるため、情報が漏れる可能性もあります。入力内容に企業の機密事項や個人情報が含まれていると、重要なデータが外部に流れてしまうため、細心の注意を払いましょう。
情報漏洩を避けるには、前述した初期設定が重要です。入力した内容がチャット履歴に残らないようにしておけば、クラウド上にも保存されないので安心です。
ChatGPTをカスタマイズすることで、楽しく活用できます。カスタマイズでキャラクター設定をすれば、ChatGPTがキャラクターになりきって回答してくれるため、より会話を楽しめるでしょう。カスタマイズの手順は以下の通りです。
- マイページのアイコンをクリック
- 「ChatGPTをカスタマイズする」をクリック
- 「ChatGPTにどのような特徴を求めていますか?」のボックスに希望するキャラクターの詳細を入力
- 「保存する」をクリック
キャラクターは既存のものでも、架空のものでも構いません。キャラクター名と一緒に、回答の口調も指示しておきましょう。カスタマイズ画面で「フォーマルな口調」と「カジュアルな口調」を設定した場合の違いを紹介します。
カスタマイズ内容によって、回答文の印象が大きく変わります。キャラクター設定によってさらに回答が変わるため、ぜひ試してみてください。
ChatGPTを使うにあたり、いくつか疑問点があるとお悩みの方も多いでしょう。ここでは、ChatGPTでよく寄せられる質問を紹介します。
ChatGPTが作成できるのは4,096~8,192文字程度までの文章です。人によって求める文章の長さは異なるため、物足りなさを感じることもあるでしょう。しかし、8,000文字以上の長文を作成してもらうことは難しいため、足りない場合は自身で加筆したり、予め文章を分割してもらうようにプロンプトを工夫(文字数を指定したり、回答を続けるように依頼)する必要があります。
ChatGPTは書き出しやアイデアの創作に優れているため、AI活用の用途としておすすめです。人は過去の経験や独自の考えから書き出しやアイデアの案を思い浮かべるため、これまでとは異なる新しい発想を提案することは容易ではありません。AIは固定観念にとらわれることなく斬新な発想を提案してくれるため、アイデアが思い浮かばないときに頼ってみましょう。
・監修者の伊藤さんよりコメント
または、自身で創作した書き出しやアイデアについて評価してもらったり、意見をもらう活用方法もあります。例えば、検討している新規事業案を評価するよう依頼した場合、大量の市場データをもとに、競合状況、成功のポイント、収益計画、情報として不足している点(やるべき事)などをアドバイスしてくれます。
ChatGPTは基本的には無料で利用できます。ただし、有料プランに加入することで前述した文字数制限を緩和できたり、より高度なモデルを試すことができます。軽めの文章作成やタスクであれば無料プランでも十分活用可能ですが、より複雑な内容を扱う際には有料プランへの加入も検討してみましょう。
ChatGPTは、生成AIを活用した対話型のチャットサービスです。文章の作成やビジネスメールの返信内容、アイデアの発案や分析レポートの作成など、さまざまなシーンで活用できます。いくつかの初期設定が必要になるものの、難しい手順は一切ないため、初心者でも気軽に始められるでしょう。
ChatGPTを利用する際は、インターネット上に多くあるプロンプトの例文を参考にすることがおすすめです。例文を参考にすれば、使い慣れていない人でも手軽に理想的な文章を手に入れられます。口調の変更やキャラクター設定などの魅力的な機能も付いているため、ぜひ試してみてください。

ChatGPTをはじめとした生成AIができることを体感したら、次は日常や仕事で活用できそうなものがないかを棚卸してみましょう。
AIを活用できるものを把握することで、今後AIを利用するイメージを具体化でき、用途が明確になることで継続利用やさまざまな効率化に繋がるでしょう。